エッセイ

思いつくままに…
科学の進歩が体感出来る幸わせ不幸合わせ

 僕がパーキンソン病を医師から正式に診断されて何年になるだろうか、6、7年になると思う。
 勿論パーキンソンというのは辛い病気で、徐々に体が不自由になって行く様が見えて来たのだが、この為患者の為の特効薬を処方されている。この薬が素晴らしく、効果がONの時はパーキンソン病を忘れる事が出来るのだが、やがて一旦OFFになりかけると全く何をすることも出来ず、例えばいつものようにご飯を食べていてもポロポロと食べ物を落としてしまったり、自分自身のプライドがヅタヅタになるようなきびしい状態になってしまう。まさに生物学的に進化とは逆に退化してしまったようになる。ところがどうでしょう、また薬をのんで効果がONになると普通の生活が出来るようになる。これ程の特効薬が生まれ、薬で病状がはっきりとわかる病気は少ないでしょう。そういう場面に遭遇するたびに医学の進歩を体感出来ます。そしてその度に医学と医療の発展をまざまざと感じ、少し妙な感謝をしています。

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