エッセイ

思いつくままに…
良い日

 18日は長唄協会の秋季演奏会でした。
 長唄協会には70歳以上の協会員を表彰してくれるシステムがあり、ぼくも 恥ずかしながら表彰者の一員に加えていただきました。
ご存じの方も多いかと思いますが、ぼくは昨年で演奏の場から退きました。演奏家という立場ではなくなったにもかかわらず、表彰していただけたのは、とても嬉しいことでした。
 御礼の挨拶を代表者として一言、ということで、喜びと御礼の言葉を述べました。シドロモドロでしたが、今藤の家元に「良かったわよ」と言われて、子どものように喜んでおりました。
 そして、秋季演奏会の特別企画の一環として、ぼくの処女作「六斎念仏意想曲」(師匠・三世今藤長十郎先生の命名の曲)を、22人の三味線と太鼓4人、総勢26人で演奏させていただきました。
 猛烈なスピードで、演奏はなかなか困難なのですが、皆さん練習も充分でみごとに打ち、且つ弾いてくれました。何より、この曲を演奏することを社交辞令でなく楽しかったと言っていただいたのは、たいへん嬉しく、作曲者冥利に尽きました。
 また、このようなこと、味わいたいものです。

今藤 政太郎

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