エッセイ

思いつくままに…
何故だかわからないが ー「好きな替手」

 「四季山姥」の後半、三下リに調子を変えて
冬は谷間に冬籠る まだ鶯の片言も 梅のつぼみの華やかに 雪をいただく葛屋の軒端…
となるその後の、雪の合方をアレンジした本手についている今藤派独特の替手が好きだ。
ツルロツトンチリチツツテツンツン ツドチリリリリン チチチンチン チン チンチン あだな松風
となるわけで、きっと、何かお芝居か上方の曲の一部を取ったものだと思われるが、何から出たものか、ぼくにはわからない。
物識りの方に何人か聞いてもみたが、今のところわからない。
何故その手が好きなのか、説明もできない。
演奏や作曲の専門家であっても理路整然と説明できないのがまた面白い。

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