エッセイ

東京新聞 2002年6月29日掲載
風車◇邦楽教育の一環

 義務教育における邦楽器の導入が決定してから、我々邦楽家もその対応に正直戸惑いがある。もちろん現場の音楽の先生方、子供たちの戸惑いは想像を絶するものかもしれない。長唄協会でも今日あることを期待しながら邦楽の学校巡回などに力を入れてきたが、限られた機会では多くの子供たちに聞いてもらう事ができない。
 音楽教育の現場ではすでに動きだし、知恵を振りしぼっているところだが、そんなところに東京新聞と田島佳子先生(子供の邦楽教育に情熱と深い経験を持っていられる)の間で話が持ち上がり、継続的に大きい場所で大勢の人たちに邦楽を聞いていただかねばということになり、この9月8日に、子供たちとその親たちを対象に三味線音楽のデモンストレーションを催すことになった。その上、イイノホールが会場を提供してくれるという。
 いまだ具体的な内容は決まっていないが、子供たちにも大人たちにも興味ある催しにしたいと思っている。こういう素晴らしいことを提案してくれた東京新聞には深い尊敬と感謝の気持ちでいっぱいである。
 これを機に他のマスコミもこんなことは当たり前として扱ってもらえればと思う。もちろん我々の問題意識と努力がさらに大事なことはいうまでもないが。