エッセイ

東京新聞 2001年9月29日掲載
風車◇ダジャレのすすめ

  いささか旧聞に属するが本紙7月2日付スポーツ欄に、イチロー選手が全米規模の特集番組に取り上げられたことが書いてあった。番組のタイトルは「ジャパンズ・ライジング・サンズ(サン)」をSUNでなく、SONで表しイチローを「日の出の勢いの息子」になぞらえていた。今更何を、と笑われそうだが欧米文化でも日本と同じくダジャレ、地口の類があるのだなと思った。
 最近、何かダジャレなど発しようものなら、「サブーッ」などと言ってその面白さを解せない人が多いようであるが、豊かなボキャブラリーと想像力に裏打ちされたダジャレなど言葉遊びは、本当に素敵で大脳の好ましい刺激にもなるようである。
 特に日本では万葉の昔から今に至るまで詩歌の世界からダジャレを抜いたら気の抜けたビールのようになってしまう。ある事柄を他の事柄に置き換えて聞きなしたり見立てるという文化は、同音異義語の多い日本では殊に発達したのだと思う。
 歌は勿論、物語、三味線音楽、落語…。N響アワーなども音楽だけでなく池辺氏のダジャレも楽しみで聞いているのかなと思うことも。ともあれ、日本語と日本文化を大事にしたいなと思うことしきりである。