エッセイ

東京新聞 2001年6月30日掲載
風車◇実りある邦楽教育に

 先月22日に、千葉県の県立高校の音楽担当の先生方に招かれ、三味線の講習会を行いました。東音会の田島佳子先生をはじめとする講師団の中に加えて頂き、貴重な体験を致しました。邦楽が音楽教育に大幅に取り入れられることになったのを受けてのことだと思います。
 先生のほとんどの方は、三味線を持つのが初めてでした。初めは戸惑い、かつはにかみながら、まるで子供のように一生懸命取り組まれ、しっかりと三味線を鳴らして「さくら」を弾けるようになり、先生方はもちろん、講師一同も大感激でした。
 教育の場で直接生徒さんに教えるのは音楽の先生です。その方たちに伝統文化への理解と共感をもって頂かなければ、教育を受ける子供たちに伝わるはずがありません。いま、我々は義務教育が始まって、初めて生徒たちに日本音楽を教える機会を得たのです。が、しかしこのことは千載一遇のチャンスであるとともに、大ピンチであるとも言えます。
 いま、ここ4、5年に我々が対応を誤れば、日本音楽の価値が本当に低く評価されることにもつながります。ここは私たち、額に汗し、この機会を実りあるものにしたいと思います。