エッセイ

思いつくままに…
朴清兄貴のタ`ーッタ`ーッタ`ーッ!

昨年(12月18日 日曜日)紀尾井ホールでリサイタルを催しました。3曲あるうちの最後に「英執着獅子」という曲を演奏しました。唄を人間国宝の東音 宮田哲男氏、小鼓を人間国宝の朴清兄貴、太鼓を人間国宝の堅田喜三久さんというラインナップです。演奏開始と同時に常とは違う良い緊張感と、同時にただならぬ雰囲気が漂いました。しばらく進行して「つゆしののめの」というところで朴清兄貴は、いわゆる常間では打ってきません。そして「あなたへさそい」ここで、兄貴は尋常一様ではない間のタメ方をしたのです。僕は必死に彼と息を合わせました。それ以後は夢中、気がつくと演奏は終わっていました。後で考えてみると、僕らは幼い時から「間」という言葉を聞き、また体感してきたつもりでした。が、しかし、日常の演奏では、リズムとテンポという言葉に置き換えてもなんら差しつかえないような演奏に終始することが多いのです。が、あの「あなたへさそい」のところのタ`ーッタ`ーッタ`ーッで

朴清兄貴は僕の内なるのっぴきならない「間」を甦らせ、引き出してくれたのです。まさに一期一会とも言うべきときでした。

注;望月朴清・堅田喜三久  政太郎母方のいとこ